日本のGDP(国内総生産)は、アメリカについで第2位であったが、中国に抜かれて久しく第3位の座を保っている。ちなみに第4位はドイツである。
しかるに国民一人当たりのGDPでみると、その順位は下がる一方であり、第1位のルクセンブルクの約3分の1、第2位アイルランドの約2分の1、第5位のアメリカの約3分の2である。主要欧米諸国には後塵を拝し、イタリアや韓国にも負けている。まもなく、ニュージーランドやスペイン、チェコにも負けそうな気配である。
雇用者一人あたりのGDPである労働生産性では、もっと下がり、アイルランドの41%、アメリカの58%であり、韓国、トルコ、チェコ、スロベニア、ニュージーランド、ギリシャにも負けており、勝てるのは旧社会主義国のみといった状況である。
そうはいっても日本には、過去に稼いだおかげで対外純資産・個人貯蓄ともたっぷりあり、今の地位を保てている。先進7カ国首脳会議(G7)に加入していられるのも今の内かも知れない。
毎年、巨額の財政赤字で国債を発行し続けていけるのも諸外国からまだ信用があるからできることである。諸外国からの信認が薄れたときには、国債価格の暴落・金利の高騰といった異常事態に陥ることとなる。そうならないためにも、日本は工業のみではなく、IT産業などの高度サービス業の発展が必要となる。しかしながら残念なことにIT担当大臣の適任者は見当たらない。
2020年06月15日
日本の経済力
落ちる一方。先進国と呼ばれなくなる日は近い?