当事務所では、現金管理は経営管理の出発点であり、正確な記帳の出発点であるとの認識のもと、年に一度は関与先の現金実査を行わせていただいております。
つい先日、当事務所にとっては2年ぶりの税務調査において、こんなことがありました。
調査官が「現金を保管してある金庫を見せてください。そこにある現金を数えていただけませんか。」と会社担当者に言いました。会社担当者は調査官の面前で現金を数え、それを調査官が調書に記入し、出納帳の残高と合っていることを確認しました。
税務調査では、会社の現金管理の状況を調べ、これにより会社の経理の状況を把握することが行われます。今回は現金管理が厳格な会社で、このことについては何の問題もありませんでしたが、仮に、調査時において現金の実在額と帳簿残高が合わない、または、前日までの現金出納帳の記入がされていないときは、調査官は売上高の計上等に対する調査を詳細に行うことが予想されます。これにより調査日数も増えることもありますので注意が必要です。
また、経営管理のためには、現金の出納をしっかり管理することが重要であり、現金管理がルーズな会社に業績が優良な企業はないと言っても過言ではありません。とかく中小・零細企業では、現金管理は経営者または経営者の身内に任されていることが多く、ルーズになりがちです。企業の成長のためには、内部統制を確立し現金管理を他人である従業員に任せるのも重要となります。
2020年08月31日
現金管理の重要性
現金管理は経営管理の出発点