日本の人口減少が進んでいる中、年齢区分別人口構成は、団塊の世代の影響で高齢者の割合が増加傾向をたどっている。この団塊の世代がほぼいなくなるであろう30年後は日本の人口構成は諸外国の中でも理想的なものになるという意見がある。
しかしながら、今の日本で団塊の世代につぐ大きな塊として団塊ジュニア世代があり、そう簡単に高齢化比率(全人口に占める高齢者の割合)は下がらない。団塊ジュニア世代は現在、40歳代前半であり、30年後はこれらの世代は70歳代となり、高齢者となっている。
国が発表した人口統計(推計)によれば、以下の表のとおり、2015年と2045年とでは、高齢化比率は27%から38%となり10ポイント以上の増加となる。高齢者の人口のピークは2042年の3,878万人であり、高齢化比率のピークは2060年の40%と推計されている。
全人口に占める年齢階層別人口の割合
年齢階層 |
年齢区分 |
2015年 |
2045年 |
2060年 |
高齢化比率 |
65歳以上 |
27% |
38% |
40% |
生産年齢人口比率 |
15~64歳 |
61% |
52% |
51% |
年少人口比率 |
0~14歳 |
12% |
10% |
9% |
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集2014」より
現下の出生率1.4強が続く限り、年齢区分別人口構成の改善は困難な状況が継続することとなる。この改善には、出生率の大幅な上昇が望まれ、政府も少子化対策を充実させているが、増え続ける高齢者対策、財政再建に資金を奪われ容易ではない。消費税の税率アップを延期している余裕などないのではと思わざるを得ない。