10月30日の日本経済新聞朝刊にソニーが韓国サムスン電子との液晶パネルの合弁事業解消に向けた交渉を開始したことが掲載されている。その隣には、パナソニックもテレビ生産事業の大幅縮小等のリストラで2012年3月期は3000億円の赤字となる見通しとなったことが掲載されている。電事業は韓国、台湾、中国の進出により、世界的に供給過剰で液晶パネル等の価格が急落しており、ソニーのテレビ事業は7期連続赤字で累計赤字は4500億円超のようだ。韓国企業は韓国国内市場が日本の約3分の1と小さいため、海外の市場開拓を国家戦略として実行しており、アメリカや欧州といち早くFTA(自由貿易協定)を締結し、今やかつて日本製品が跋扈していた家電、デジカメ等の市場を席巻している。日本も遅ればせながら、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡って、賛否両論が渦巻いている。関税を低くすれば、日本の農業は林業のように、外国からの農産物に取って代わられ、日本の農業が壊滅すると農業者は反対している。一方、製造業者は海外への輸出が伸びることを期待し、大賛成である。日本の現状は、サラリーマンが多数を占めるため、国民全体では賛成が反対を上回るだろう。日本の農業はサラリーマンとの兼業農家が圧倒的であり、なおかつ高齢化している。大胆な農業改革(株式会社の参入等)とともに、農家への個別補償を実施することにより農業と製造業との対立の構図から脱却する必要がある。
2011年11月05日