8月30日(日)午後9時からのNHKスペシャル“シリーズ老人漂流社会、急増する親子共倒れ▽親を苦しめる子の失業「老後破産」の果てに”を観た方も多いことと思います。高齢者のうち、元公務員や大企業のサラリーマン等の退職者は退職金に加え年金、年金基金等により生活に支障がでる人は少ないようであるが、国民年金受給者の生活は楽ではない。年金収入だけで生活することはかなりの困難が付きまとう。働くことができない人の生活は悲惨な場合が多い。子が近くにいて、生活にゆとりがあれば子の援助にすがることもできるが、そうした例はまれである。特に、子が正規社員を会社都合等で解雇されたり、体調不十分で会社を辞めたりした後、非正規雇用で職に就けても収入は十分とは言えない。正規職員は年功序列で給与が上がっていくが、非正規職員の給与は低いままであるのが通例である。就学年齢の子供も6人に1人は貧困のため就学にも困難をきたしているようだ。原因の多くは、非正規職員の増加による低い給与収入に影響しているものと思われる。
「同一労働・同一賃金」とよく言われたが、まちがいなく正規・非正規で賃金は異なる。低賃金で雇用することを目的として企業は非正規職員を採用していると言っても過言ではない。国際競争力に勝つには必要なことであったのかも知れぬが、海外生産が主流となった今もこの制度は拡充するばかりである。こうした人たちの面倒は税金でみざるを得なくなる。給与として企業が負担するか、税金としてその分を負担するかのいずれか以外に道はない。
2015年09月01日