法⼈税において、外国税額控除額は次のとおり計算されます。
① 控除対象外国法⼈税額
② 控除限度額
控除限度額=当期の全世界所得に対する法⼈税額 × 当期の国外所得(注) / 当期の全世界所得
国外所得が当該事業年度の全世界所得⾦額の90%に相当する⾦額を超える場合には、全世界所得の90%に相当する⾦額が国外所得⾦額とされます。
③ 当期の外国税額控除額=①と②のいずれか小さい⾦額
外国法⼈税については、外国税額控除又は損金算入方式により申告することとなります。外国税額控除を適用する場合、課税所得の計算上加算調整したうえでいったん法人税額を計算し、その後法人税額から外国税額を直接控除します。一方、損⾦算⼊方式を選択した場合、納付した外国法⼈税は⼀般の経費と同様に取り扱って課税所得から控除されますが、⼆重課税を完全に排除することはできません。従って、理論的には外国税額控除を適⽤した⽅が有利であり、適用すべきであると言えます。なお、⾚字により課税所得が発⽣せず、税額控除の適⽤を受けることができない場合や、控除限度額が不⾜している場合等、損⾦算⼊のほうが有利になるケースも考えられるため留意が必要です。
最後に、外国税額控除を適用した場合と、損金算入方式を選択した場合の具体例を以下に示します。表下段の差引納付税額に差が生じており、外国税額控除の優位性がはっきりとわかることと思います。
項 目 |
外国税額控除を適用
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損金算入方式を選択
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備 考
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会計上の利益 |
300
|
300
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外国法人税額40が費用処理されているとする。
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控除対象外外国税額 | 40 | 0 | 外国税額控除を適用する場合、所得計算上加算調整が必要となる。 |
課税所得 | 340 | 300 | |
法人税額 | 78 | 69 | 法人税率23.2%とする。 |
外国税額控除 | 40 | 0 | |
差引納付額 | 38 | 69 | 外国税額控除を適用したほうが、31有利である。 |
浜松市/会計事務所/税理士/公認会計士/国際税務/外国税額控除
- Posted by 2021年02月05日 (金) | コメント(0)
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