菌を憎んで人を憎まず 

既に報道等で拡まっている通り、浜松市中区内の店舗にてCOVID-19のクラスターが発生し、豊橋市などの近隣都市にも拡がってしまっている。[関連:中日新聞(7/29付)]
この事実は覆し様がないが、だからといってクラスターが発生してしまった店舗を袋叩きにする行為は悪い意味で典型的な日本人の群集心理に他ならないと感じる。
それどころか店舗関係者の家族構成等個人的な情報について「晒す」行為も見受けられるが、これは法的根拠のない私刑である。晒した人はプライバシーの侵害等での違法性を問われかねない。
そもそもこれらの行為をする人は正義の味方気取りなのだと感じるが、そもそも罹患者(感染者)は悪人乃至悪事を働いたと言えるのだろうか?
否。(人間目線で)悪いのは病原菌たるCOVID-19であり、罹患者ではない。

罪を憎んで人を憎まず。この言葉の本来の意味からすれば、罹患者自らに故意または重過失があって感染を惹起し易い環境を作ってしまっていたとしても、憎むべきは個人そのものではなく故意または重過失に至る迄の背景ということになる。
しかし本件にもう少し寄り添わせて考えるとこれは少し異なる。罹患者は飽く迄も被害者である。
つまり憎むべきは故意や重過失に関するものではなく、菌そのものである。
別の例で喩えるならば、羆(ヒグマ)の食害が多発しているから防災意識を高めましょうと活動している時に誰かが施錠を忘れる等して羆の食害が発生し、結果として羆が味を占めてしまい食害被害が増加してしまったとしても、(人間が)恨むべきは決して施錠を忘れる等して結果的に羆を助長してしまった人間被害者本人やその行動経緯ではなく羆そのものだということである。
菌を憎んで人を憎まず。COVID-19被害者である人間同士が無用な争いを起こすことは建設的だとは思えません。

監査課 田中

• Posted by 2020年07月30日 (木)　|　コメント（0）

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