地球温暖化対策としてCO2の削減が叫ばれ、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電など)とともに、CO2を大量に排出するとしてガソリン車から電気自動車(EV)への転換が進んでいる。特にEUや中国ではガソリン車からEVへのシフトは目覚ましいものがある。
しかしながら、ことはそう簡単ではない。特に日本の場合は、火力発電が電力の75%である。フランスのように火力発電はごくわずかという国とはわけが違う。EVの充電のために使う電力を火力に頼っている日本では、EVが増えれば増えるほど火力発電によるCO2排出が増加してしまう。フランスのように火力発電の割合が低い国は、原子力発電によって電力を賄っている。原子力発電は、使用済み核燃料の処分方法が確立されていないばかりか、福島やチェルノブイリの原発事故を見るまでもなく決して安全とは言い切れない。
日本で自動車産業に従事している人は550万人であり、すべての自動車が電気自動車になったとすると自動車産業従事者の約2割、100万人以上が余剰人員となるという試算もある。CO2は自動車から排出されるもののみを注目するのではなく、火力発電によるCO2排出量にも十分な注意が必要であり、それとともに、原子力発電の安全性等にも十分な考察が必要である。
2021年11月15日
地球温暖化対策
電気自動車は救世主となるか?