2018年01月31日
中小企業の後継者難
税理士業の主たる顧客である中小企業、とりわけ従業員10名以下の零細企業では一向に業績が上がってこない。「働けど、働けど、なお我が暮らし楽にならざり・・。」という悲鳴が聞こえる。今や零細企業の社長の役員報酬は従業員の給与にも及ばない低水準のところが増えてきた。数十年前、働いてもいないおばあちゃんに給与を払えたほど儲かっていたのは、今やもう昔の話になってしまった。こんな状況だから中小企業の後継者探しには困難が付きまとう。後継者がいないのではなく、候補はいても後継したがらないのが現状である。理由は主に以下の二つと思われる。後継候補者が高学歴で父親の企業に魅力を感じていないから。もう一つは前述した後継するほどの魅力が中小企業にはないからであろう。
当事務所の関与先でも比較的業績が順調な会社は後継者選びに苦労はないが、大半の業績不振企業は後継者選びには苦労がつきまとう。せめて社長の給与が従業員の1.5倍、欲を言えば2倍以上にならなければ、後継者はなかなか見つからないであろう。安倍首相の言ったトリクルダウン(「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる。」とする経済思想)はいつのことやらというのが零細企業を見ていて、つくづく思うことである。