国税庁発表では、法人税申告286万法人のうち、黒字の法人はわずか33.2%という大変な状況が続いている。私の税理士経験40年から振り返るとこの割合は従前とあまり大きな変化はないように感じる。しかしながら、昭和の時代からバブル崩壊前の平成年代初旬までは経営者一族の給与金額はかなりの水準であった。逆に言えば、経営者一族の給与水準を下げれば黒字化した企業はかなり多かった。しかるに現状は寂しい限り。経営者の給与水準は従業員以下という小企業がかなりある。むしろ小企業の大部分がこのような状況であると言っても過言ではない。こんな状況だから事業承継は大変厳しい状況であり廃業は増加するばかりである。
この状況に対する政策等はあまり見られない。弱小の中小零細企業は退場したほうが経済活性化のためになるという説もあるが、技術力、商品力がある企業の廃業は社会的損失であり、個人的にはよく通っていた飲食店が高齢化により廃業していくことが残念でならない。
会計事務所の今後についても市場の縮小、企業数の減少に加え、AI (人工知能)の影響でかなりの変化が予想される。変化をチャンスと捉え、改革して行かなければと思いつつ、惰性で現場業務に忙殺されている。何とか知恵を絞って、勝ち組に残ることを考え、行動しなければと思う今日このごろである。
2018年10月31日
黒字企業割合
中小零細企業の現状