➀ダイレクト納付の定義と基本的な仕組み
ダイレクト納付とは、事前に登録した銀行口座から地方税を直接引き落として納付する電子納税方法です。地方税ポータルシステムeLTAX(エルタックス)上で口座情報を登録し、納税の際にその口座を指定することで、地方税の支払いが自動振替で行われます。国税のe-Taxにおけるダイレクト納付と同様の仕組みで、インターネットバンキングの契約がなくても利用可能であり、納税者または代理人(税理士など)による手続きで直接納付が完結します。
➁ダイレクト納付の利便性(メリット)
ダイレクト納付を利用することで、経理業務の負担軽減や納税手続きの効率化が期待できます。主なメリットは次のとおりです。
・24時間・自宅から納付可能
eLTAXを通じてインターネット上で手続きするため、基本的にいつでもどこでも納付手続きが行えます。
・納付書が不要&銀行窓口へ行く手間削減
納付書の発行や郵送を待つ必要がなく、紙の納付書を持って銀行に出向く手間が省けます。
・複数自治体の税金を一括管理・納付
eLTAXの共通納税機能により、都道府県税や市区町村税など複数の地方公共団体への納税を一度の手続きでまとめて行えます。
・納付日の指定が可能
ダイレクト納付では、即時に引き落とすだけでなく納付日を指定して予約納付することも可能です
➂令和6年3月24日から導入されたワンタイムパスワード(OTP)認証
地方税ダイレクト納付ではセキュリティ強化のための二段階認証(ワンタイムパスワード認証)が導入されました。地方税共同機構の発表によれば、不正利用防止の観点から検討が進められ、令和7年(2025年)3月24日よりダイレクト納付手続時にOTP(ワンタイムパスワード)による認証を行う方式が導入されています。これにより、従来は利用者IDとログインパスワードだけで納付処理が可能でしたが、現在は納付を実行する直前に追加の確認コード入力が必要となっています。
※OTP認証の注意点: ワンタイムパスワードはeLTAX利用者IDに紐づくメールアドレスに送られます。そのため、事前に正しいメールアドレスが登録されていることを確認してください。もしメールアドレスが古かったり誤っていたりするとOTPが届かず納税に支障をきたします。
ダイレクト納付を初めて実施しようとする場合、口座登録が完了するまで最大で1か月程度かかる可能性があります。そのため、納税期限が迫っている場合に「とりあえず直前に登録申請すれば間に合うだろう。」と思っていると、納期限までに利用開始できずダイレクト納付が間に合わない恐れがあります。納付したい期限から逆算して、遅くとも余裕をもって1か月以上前には口座登録手続きを済ませておくようにしましょう。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/税理士/公認会計士/e-LTAX/ダイレクト納付/ワンタイムパスワード
- Posted by 2025年03月31日 (月) |
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