上場会社等の金商法監査を行うには、上場会社等監査人名簿への登録が求められています。今般、監査品質の観点から人的体制要件の引上げを検討するという方向性が示され、上場会社監査を担うための登録の入口が、今後狭くなる可能性が出てきました。
日本公認会計士協会(JICPA)は、近時の新規上場会社等に関する不正事例も踏まえ、監査への信頼性を維持・向上させるための取組を整理しています。その施策の一つとして、人的体制(例:担当可能な公認会計士数、品質管理レビュー体制、専門性人材の配置など)をより厚く求める方向性が示唆されています。
この見直しが進むと、監査を受ける企業側、監査事務所側の双方に影響が及ぶ可能性があります。
・監査事務所側:人的体制要件が引き上がれば、登録の維持や新規登録が難しくなる事務所も出てきます。少人数で上場会社監査を担う事務所も一定数存在するため、要件の具体化次第では影響範囲が広がり得ます。
・企業側:人的体制の厚みを求めるほど、採用・育成・品質管理コストが増え、結果として監査報酬や監査手続のボリュームに影響が及ぶ可能性があります。
・周辺領域(IPO準備・会社法監査):上場監査の体制整備にリソースが吸収されると、IPO準備会社や会社法監査で監査人確保が難しくなる局面が生じる可能性もあります。
<今後の見通し>
要件の具体的な水準や適用時期、経過措置がどのように設計されるかが最大の焦点です。一方で、方向性としては「監査品質の担保をより強める」流れにあり、中小規模の監査事務所では、合併・統合・業務提携といった再編の動きが今後いっそう進むことが予想されます。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/公認会計士/税理士/会計監査/上場企業監査事務所
- Posted by 2026年01月30日 (金) |
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