災害などのやむを得ない事情によって期限までに申告や納付ができない場合、その事情がなくなった日から2か月以内の範囲で期限を延長することができます。対象となるのは、法人税や所得税、消費税などの申告・納付だけでなく、各種申請や届出なども含まれます。
期限の延長には、大きく「地域指定」と「個別指定」があります。
大規模な災害で広い地域に被害が出た場合には、国税庁が対象となる地域を指定することがあります。地域指定された場合、その地域に納税地がある方については、原則として自分で申請しなくても申告や納付などの期限が延長されます。
実際に、2026年7月28日に発生した熊本地震では、熊本県の八代市、宇土市、宇城市、八代郡氷川町が指定地域となりました。これらの地域に納税地がある方については、7月28日以降に到来する国税の申告・納付等の期限が自動的に延長されています。延長後の期限については、今後の状況を踏まえて国税庁から改めて公表されることとなります。
一方、指定地域以外に納税地がある場合でも、災害により実際に申告や納付ができない状況であれば、税務署へ申請することで個別に期限延長を受けることができます。この申請は、本来の申告期限までに必ず行わなければならないものではなく、被災状況が落ち着いてから行うこともできます。
また、災害によって大きな損失を受け、税金を一度に納付することが難しい場合には、期限延長とは別に「納税の猶予」を受けられる場合もあります。災害時には、人命や生活、事業の復旧を最優先にするのが当然です。そのため、税法にもこうした救済制度が設けられています。
災害によって申告や納付が難しくなった場合には、まず国税庁の情報を確認し、必要に応じて税務署や税理士に相談することが大切です。また、被害状況が分かる写真や修理費用の資料なども残しておくと、その後の税務手続に役立つことがあります。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/公認会計士/税理士/災害/税務/納税猶予
- Posted by 2026年08月27日 (木) |
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