不正はなぜ起きてしまうのでしょうか?不正の発生につながるメカニズムを分析するには、「不正のトライアングル」という考え方を用います。不正のトライアングルとは、不正は「動機・プレッシャー」「機会」「姿勢・正当化」の3つの要因が揃ったときに発生するというものです。使用人が会社資産の横領をすることを例に、考えてみましょう。
①動機・プレッシャー(不正実行者が不正行為を行う際の心理的なきっかけ)
評価や処遇への不満、個人的債務の返済に困っているなど
②機会(不正を行うことができる環境)
現金預金の管理を不正実行者一人で行っており監視体制が不十分、小型かつ高額な資産を取り扱っているなど
③姿勢・正当化(倫理観・モラルの欠如)
給与が少ないのだからこれくらい良いだろう、誰にもばれないだろう、すぐに返せばよいだろうといった心理など
資産の横領による不正を防止する内部統制を構築する際には、上記のうち「機会」を与えないように意識することが寛容です。現金預金の管理を一人に任せない、職務の分離・牽制など、簡単にできることはあります。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/公認会計士/税理士/会計不正
- Posted by 2020年09月29日 (火) | コメント(0)
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