免税事業者である相続人が相続により事業を承継した場合の相続人の納税義務は、次のとおり判定されることとされています。
・相続があった年
⇒相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円を超える場合は、相続人は相続があった日の翌日から課税事業者となる。
・相続があった年の翌年及び翌々年
⇒基準期間における被相続人と相続人の課税売上高の合計額が1,000万円を超える場合は、相続人は課税事業者となる。
令和5年10月1日以後に、免税事業者である相続人が、インボイス発行事業者である被相続人の事業を相続により承継した場合、インボイス発行事業者としての地位は相続人に引き継がれないため、被相続人に係る「適格請求書発行事業者の死亡届」とともに、必要に応じて相続人に係る「適格請求書発行事業者の届出」を所轄税務署へ提出する必要があります。なお、相続のあった日から4ヶ月間はみなし登録期間として、相続人がインボイス発行事業者とみなされるとともに、被相続人の登録番号が相続人の登録番号とみなされます。
被相続人の課税売上高が1,000万円未満であるがインボイス発行事業者となっていた場合には注意が必要と考えられます。この場合、相続人の納税義務の判定では免税事業者となりますが、相続開始から4ヶ月間のみなし登録期間については、相続人がインボイス発行事業者とみなされるため、仮にインボイス発行事業者を選択しないとしても課税事業者として消費税の申告を行う必要があります。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/税理士/公認会計士/インボイス/相続納税義務の判定/みなし登録期間
- Posted by 2023年03月29日 (水) | コメント(0)
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