モンテカルロはカジノで有名で,モナコ公国にあります。カジノと聞くとブラックジャックがなぜか頭に浮びました。ちなみにカジノは行ったことはございません。
というわけで今回は,カジノの楽しい話かと思いきや,その名前を冠した「数にモノを言わせる」方法をご紹介いたします。
その方法の考案者のおじがカジノで借金をこさえたことが名前の由来と嘘かまことか,ずばり「モンテカルロ法(英:Monte Carlo method)」といい,色々なところで用いられています。
今ホットなAI(人工知能)や金融工学,物理学まで幅広く応用が効きます。なぜなら,その核の部分はとてもシンプルだから。誤解を恐れずに一言でいえば「ゴリ押し」です。
どこら辺がゴリ押しなのかといえば,見ていただいた方が速いと思います。百聞は一見にしかず。モンテカルロ法の説明でよく示される円周率の近似を例示します。
この,ちょこまかとせわしない図はモンテカルロ法で円周率を近似する過程を示したものです。
乱数により二つの値(ただし,それぞれの値の範囲は\(-1 \leqq n \leqq 1\))を取り,それぞれ2次元上のX軸とY軸にプロットして,原点Oから距離が1以下であれば赤点,1 を超えていれば青点で示しています(図中の赤い円は原点Oから1の距離を表示)。
図中の変数\(k\)は赤点の数,変数\(n\)は試行回数を示し,今回は試行回数5,000回で円周率の近似を試みており,なんだかそれっぽい数値が\(4\frac{k}{n}\)の計算式により導き出されています。
\(2 \times 2\)の面積の正方形に\( \pi \times 1 \times 1\)の面積の円があるため,円と正方形の比\(r = \frac{ \pi }{4} \)と,無作為に打った点が円に入る確立は\( r \)と等しくなります。したがって,\(4\frac{k}{n}\)式によって円周率が導き出されます。
試行回数をふやせば増やすほど,(一般的には)近似の精度は上りますが計算に時間がかかってしまうので,あまり効率のよい方法ではありません。しかしながら,モンテカルロ法の良いところは,何かの値の求め方が膨大な変数に邪魔される場合でも,確率論的な大数の暴力でなんとかなる時はなんとかなるところ(もちろん,なんとかならない場合もあります)です。
後編として書く予定だった,モンテカルロ法を投資意思決定に用いてみる編がすごく長くなってしまったので,尻切れトンボ感がすごいですが,次のネタとして大切に金庫にしまっておきます。というわけで,多分次回に続きます。
監査課 岡野
【参考文献等】
@IT情報マネジメント編集部 -「 モンテカルロ法(もんてかるろほう) - ITmedia エンタープライズ」 https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0901/26/news107.html (2019.05.31 アクセス)
- Posted by 2019年05月31日 (金) | コメント(0)
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