昨今のコロナ禍の影響で、雇用調整助成金の支給を受ける事業者が増えています。雇用調整助成金は、一定の条件のもと事業者が社員を休業させたうえで支払う休業手当の一部を助成してくれるものです。当該助成金の税務処理について、以下にまとめますので参考にしてください。
<法人税>
休業をした日の属する事業年度の益金の額に算入します。例えば、3月決算法人が3月に休業し雇用調整助成金の支給申請をしている場合、5月の確定申告時に当該助成金の支給額が確定していないとしても、金額を見積り、益金の額に算入する必要がある点に注意が必要です(実務上、支給申請書に記載した金額で計上するものと考えられます。)。
法人税法基本通達
(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)
2-1-42 法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、雇用対策法、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。
<消費税>
収入計上した雇用調整助成金は課税対象外です。
消費税法基本通達
(補助金、奨励金、助成金等)
5-2-15 事業者が国又は地方公共団体等から受ける奨励金若しくは助成金等又は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第2条第1項《定義》に掲げる補助金等のように、特定の政策目的の実現を図るための給付金は、資産の譲渡等の対価に該当しないことに留意する。
(注)雇用保険法の規定による雇用調整助成金、…中略…は、資産の譲渡等の対価に該当しない。
水野隆啓
浜松市/会計事務所/税理士/公認会計士/雇用調整助成金
- Posted by 2020年05月27日 (水) | コメント(0)
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