決算書は会社の通信簿と言わております。会社は毎年度、決算書(貸借対照表、損益計算書など)を作成しますが、これには会社の代表者の意思が反映し、必ずしも統一的なものではありません。本来、会社の真実な姿を表すのが決算書ですから、誰が作成しても同じものができるはずですが、実はかなり格差があるのが事実です。絶対的真実性ではなく相対的真実性を追求しているものです。決算書が会社の誕生から消滅までの期間の一つの決算書を作成するのであれば、利益は誰が作成した決算書でも同額となります。元手から最後に残った資金残高を差し引いたものが利益だからです。
現在の決算書は会社の経営期間を1年間に区切り、期間損益計算を行います。このため、さまざまな予測をもとに計算せざるを得ません。使っている機械は何年間にわたって費用(減価償却費)に計上するのか、このための計算方法を定率法によるのか定額法によるのかで計上される金額は相違します。これ以外にも様々な予測計算が入ります。ただし、一貫して、正しい決算書、保守的な計算は維持されなければなりません。会社は利益が出れば、それにより税金もかかり、配当金として社外に資金が出ていくことがあります。よって、債権者、利害関係者など、決算書を読む人が安心できる決算書でなければなりません。このため、収益は実現主義、費用は発生主義で処理されます。「予測される損失は計上するも、予測される収益は計上するべからず。」の精神を十分発揮する必要があります。どんなに決算内容が厳しい状況でも、固定資産である土地を時価評価し、架空の利益を計上するような行為は厳禁です。血圧が300を超えているのに、130と記入された健康診断書を見せられては対処が遅れて命取りになりかねないのと同様です。
厳しい決算方針を貫き、早めの経営改善が企業発展の最善の道です。
2019年09月24日
強い会社の決算書
決算書は会社の通信簿