減価償却とは、価値が減少していく固定資産(建物、機械、車両、工具備品などの有形固定資産や営業権などの無形固定資産)などの取得原価を毎期継続的に費用に振り替えていく手続きのことです。これによって会社の資本充実の原則が保たれることとなります。費用に計上することによって、利益(所得)に課税される税金が減るだけでなく、配当等に回されて資金が社外に流出ことも防止されます。
このことから、利益が出ないときは減価償却を行わないという会社も見受けられます。これでは強い会社はできません。適正な減価償却を計上しないと将来の買い替え資金が会社に留保されません。常に減価償却費を計上しても黒字決算でないと企業の継続性に黄色信号が灯ることとなります。減価償却を実施しないことも粉飾決算であるという認識が必要です。減価償却費の計上は節税のためではなく、会社の正しい経営成績を把握するために必要な手続きです。
二期連続の赤字決算は企業継続の赤信号と認識し、必死に経営改善に最大限尽力しなければなりません。赤字決算に関して金融機関等からプレッシャーがあるかもしれませんが、このことから逃れるために偽装黒字にすることは自らも騙し、赤字からの脱却意欲を薄れさせます。この怠慢によって確実に会社の財務は毀損し、倒産に向かっていきます。最近の倒産報道でも「粉飾決算」を良く目にします。くれぐれも安易な道(減価償却を実施しない粉飾決算)を歩むことなく、正々堂々と明るい道を歩みましょう。
2019年12月24日
会社を強くする会計方針
減価償却の重要性