企業会計では、確定していない負債を計上しなければならないときもある。「将来、費用または損失が発生することが確実であり、かつその原因が当期以前にあり、その金額を合理的に見積もることが可能である」ときは、費用または損失を計上し、その額を引当金として負債の部に計上されることとなる。賞与引当金や退職給付引当金がこれに該当する。
賞与は就業規則や給与規定等により、支給対象期間と支給日が明確になっている場合が多い。例えば、支給対象期間が11月1日から4月末日までの賞与を7月10日に支給するとなっていて場合には、3月末決算において7月10日の支給予定額の6分の5(11月から4月までの6ケ月分のうち11月から3月までの5ケ月分)を今年度の費用として計上するのである。退職給付引当金も現在在籍している従業員の退職金の期末時点の見積額を計上するものである。
見込まれる費用・損失はその時点で計上しようという「保守主義の原則」によるものである。
強い会社の決算書は、こうした見積もることができる費用がしっかり引当計上されているものである。一方、そうでない会社は本来計上しなければならない費用も引当計上せずに簿外となてっていることが多い。これも粉飾決算の一つである。
2020年01月30日
会社を強くする会計方針
引当金の計上