決算書は一年に一度、定款によって決めた「事業年度」を基準として作成される。日本においては、国の決算年度にあわせて3月決算の会社が圧倒的に多い。3月決算の場合、5月または6月(主に株式上場企業)に開催される定時株主総会において承認または報告(会計監査人から適正意見付きの監査報告書を受領している場合)が行われる。株式上場企業においては、これ以外に四半期決算(3ケ月毎)が公開される。
決算書は、株主を中心とする投資家、銀行や仕入先等債権者を中心とする利害関係者に公開するため、また税務申告書を作成するための基となる重要書類である。しかしながら、決算書の最も重要な役割は経営管理目的である。自社の経営が計画通りにうまく進捗しているか、ずれているとすればどこに原因があるのか、といったことを判断するために必要な書類が決算書である。この経営管理目的のためには年に一度の決算書だけでは経営改善が手遅れになりかねず、健全企業はどこも正しい月次決算書を作成している。毎月、翌月10日までには自社の正しい月次決算書によって経営計画との対比を行い、素早く経営改善を実行することが健全企業になるために必要な行動である。
ダーウィンの進化論を待つまでもなく、変化に対応したものだけが生き延びることができる。「企業は環境適応業」と言われる。強い会社を作るには、経営環境の変化に素早く対応することが重要である。経営計画通りに進んで行ってないとしたら、経営環境の変化に対応できていない可能性がある。それを発見するためにも、減価償却費や賞与等も適正額を計上した毎月の月次決算書を正しく作らなければならない。
2020年02月10日
会社を強くする会計方針
月次決算の重要性