ベアリング販売の堀正工業(東京都、破産手続き中)による融資金詐欺事件で、みずほ銀行からも融資金6億円をだましとったとして、警視庁は7月26日、元社長、元総務部長と税理士の3人を再逮捕する方針を固めた。3人は三菱UFJ銀行からも5億円をだましとった罪で6月に逮捕されている。
同社は20年以上も前から、実際には赤字にもかかわらず利益が出ているように粉飾した決算書を銀行に提出していた。売上を水増ししたり負債を圧縮したりして、金融機関ごとに異なる決算書を作成していた。他行からの多額の借り入れを隠していたようだ。同社の金融機関に対する債務は約50行で合計250億円にのぼった。
決算書を見たわけではないので、なんとも言えないが、仮に負債が200億円以上であれば会計監査人(監査法人または公認会計士)をつけなければならず、会計監査人は登記事項になっているから、金融機関等でも会計監査人の有無は判断できたものと思われる。金融機関からの負債だけで250億円であれば、他の負債も含めれば、仮に粉飾していたとしても、公表上の負債も200億円以上であったのではないかと推測される。もし、会計監査人の監査を受けていれば、金融機関からの債務圧縮は容易に把握され監査報告書で指摘されたであろうから、これほど被害が大きくならなかった可能性もある。
2024年07月29日
融資金詐取で逮捕
ベアリング販売の堀正工業