液晶テレビでかつて世界の8割超のシェアを誇ったシャープが業績悪化、財務状況の悪化に苦しんでいる。シャープはもともと今や誰もが持っているシャープペンシルを100年前に製造した会社である。その後、家電に進出したが、それほどパッとせず、電卓でカシオとの激しい競争の中で培った液晶技術に特化して、日本の優良企業の一つに成長した。液晶テレビでは、「世界の亀山モデル」と言われるほど、シャープの三重県亀山工場は有名であった。その後、液晶パネルの主力拠点は台湾の鴻海(ホンハイ)と共同運営する堺工場に移ったが、今回、大規模なリストラとともに、鴻海(ホンハイ)との資本提携交渉が行われたが、その価格やリストラの内容等で予定されていた8月30日には結論には至らなかったようだ。
シャープの低迷の理由は大きく分けて3つのようである。液晶という単一製品の比重があまりに大きすぎたこと、需要予測を見誤り、設備投資があまりに過大となってしまったこと、そして、何といっても円高が挙げられる。
ドルに対して、ここ数年で2割以上円高になっているのに比し、韓国のウォンは2割以上ウォン安になっている、差引き、円とウォンでは、対ドルで約5割の差が出てしまった。如何に高性能の商品でも価格が5割も高くては、輸出競争で韓国のサムスンやLGには太刀打ちしようがない。
ここ数年、円高は高水準で定着し、また、国の雇用延長制度等もそれに拍車をかけ、遠州地方でも企業の海外進出が今後ますます激しくなることが予想される。日本人も雇用の場を求めて海外に移住する必要が出てくるのかも・・・?
今さら、スピードラーニングも効果は期待できそうもない私を筆頭とする当事務所職員は日本で生活する以外に道はなく、日本産業の復興に尽力するのみである。