国が2015年度に導入する子ども・子育て支援制度に伴い、市立・私立の保育園と幼稚園はその対応に追われている。
幼稚園は教育機関であり文部科学省管轄、保育園は保育機関であり厚生労働省管轄。そのため、一見、よく似た機関でありながら、実際にはかなり異なっている。幼稚園では、特に小学校以上のような教育基本要領なようなものはないが、各園独自に教育を行っており、所得とは無関係で保育料等が一律で設定されている。一方、保育園(保育所)は、親が共働き等で保育に欠ける子どもを預かって保育を行っており、親の所得によって収める料金が決定される。先生と呼ばれる人たちの資格も異なり、片や幼稚園教諭、片や保育士の免許である。大学等で両方の資格を取得する人も多いと思われる。施設において一番の違いは、保育園で0~2歳児を預かる場合には、ほふく室が必要とされるほか、保育園では給食施設も必須である。幼稚園では、特に私立の場合には給食は外部業者から購入または親の作る弁当が中心である。また多くの私立幼稚園では送迎バスにより、園児の送迎を行っている。
時代の流れか、保育園の利用者は増える一方、多くの幼稚園が定員割れであり、特に市立幼稚園では大幅な定員割れの園が少なくない。
このように相違点の多い幼稚園・保育園であるが、一元化しようという流れがあり、今、各園はその対応に追われている。浜松市立幼稚園は2017年度末に13幼稚園を閉園、他の2園も閉鎖を検討するとしている。また保育ニーズの高まりに対応するため、市立幼稚園12園を2018年度から幼保一体型の「認定こども園」に移行する方針のようだ。
私立幼稚園は、来年4月以降、①新制度の枠組みに入り認定こども園に移行、②新制度の中で幼稚園として補助金(市)を受ける、③制度に入らず、従来の幼稚園(私学助成)で独自に運営する- の選択肢があるが、今後の展開が不透明なため未だ様子見のところが圧倒的のようである。
一方、私立保育所では、2015年度に認定こども園に移行は11園、2016年度以降に移行は17園、従来の保育所のままが39園である。
いずれにしても、父兄を巻き込み、しばらく落ち着かない状況が続きそうである。