ロシアのプーチン大統領と安倍首相との会談が昨年12月に行われた。日本社会はすぐにでも北方四島返還を連想するが、そう簡単ではない。歯舞・色丹の二島返還論もあるが、まず実現はしないであろう。日本が米国との強固な同盟関係を築いている限り、ロシアが日本に譲歩することはあり得ない。もし、日本に返還して、アメリカ軍基地でもできたらと想像するだけで、返還などありえないことは想像に難くない。期待はしたいが、現実を直視すれば、答えは明白である。
稲田朋美防衛大臣は、森友学園籠池氏との関係を問われ、3月13日の国会答弁で、「弁護士として一切関わり合いはない。10年前に大変失礼なことをされて以来、関係を断ち切った。」と発言していた。しかし、13年前に森友学園の裁判に学園側の代理人として出廷していたという事実が明らかにされると、「夫の代理で裁判に出廷したと推測される。記憶には全くない。」と主張を変えた。しかし、大変失礼なことをされて断絶したというほど記憶に残っていると思われる人(籠池氏)の訴訟にその3年前に出廷したことの記憶がないと言う。全く信じがたい事実である。それほど、不都合な記憶をなくせる術があるなら、教えてほしい。
首相と大変親しい加計学園理事長からの請託があったかどうかわからぬが、政府の方針で獣医学部の新設抑制方針の中にもかかわらず、特区にて36億円の土地を無償譲渡され、獣医学部新設が進められているらしい。首相は否定しているが、政府関係者に「話を聞いてやってくれ。よろしく頼む。」程度の話をすれば、話だけ聞いてやればいいのかと思う人もいれば、話の中味を実現させるようありとあらゆる力を結集させようと思う人もいるのではないだろうか。大物の要請であれば、なおさら実現させねばというプレッシャーは大きくなるのは否めない。