1月20日はヤマト運輸(以下、「ヤマト」という。)が1976年(昭和51年)に宅急便を始めた記念すべき「日」である。初日の荷物はわずか11個だったが、今では1日平均で500万個を超えるまでになった。この分野ではシェア50%を占める最大手である。
ヤマトは今年11月に創業100周年を迎える老舗企業である。当初は路線事業で反映し、輸送速度を活かした鮮魚の輸送や三越と市内配送サービス契約を締結するなどして、順調に業績を伸ばした。しかしながら、長距離路線事業に乗り遅れたヤマトは多角化路線を選び、通運事業、百貨店配送、航空、海運、梱包業務などの多岐に渡る事業に手を出し、大口貨物(料金単価の逓減により収益性は悪い。)の獲得にこだわったのが仇となり収益が悪化していった。こんな折、起死回生策となったのが、時の社長・小倉昌男氏の発案による個人宅配事業である。
平成の30年間で各社の宅配便は日常生活に欠かせない「インフラ」となり、取扱個数は1989年の10億個と比べ4倍超の40億個を突破している。消費者のライフスタイルの変化、スマホの普及等によるネット通販の拡大を背景に増加傾向は変わらない。 一方で、人手不足によるサービスの限界もあり、今後の宅配事業者の動向が注目される。
参考:日経産業新聞、小倉昌男経営学(日経BP社)
2019年01月21日
ピンチをチャンスに
窮すれば通ず。ヤマト運輸・宅急便誕生の日