粉飾決算による倒産が増加しているようである。延命工作が万策尽きていよいよ倒産となるケースは後をたたない。
一口に粉飾決算といってもその中味はさまざまである。ありもしない架空の資産や売上を計上している悪質なものもあれば、本来、計上しなければならない損失や費用を計上せずに簿外にしているケースや存在する資産の評価益を計上するような比較的罪悪感が少ない粉飾もある。
いずれにしても、企業は一旦粉飾に手を染めるとほぼ永遠にそこから抜け出すことが難しくなる。人間にとっての麻薬のようなものである。儲からないときも正しい決算書を作成し、しっかり自社の現状を見つめ、企業の経営改善に取り組まなければならない。往々にして、粉飾により決算書を誤魔化すと自分もあたかも黒字であったかのような錯覚に陥り、改善努力に結びつかなくなる。この結果、また粉飾に手を染めざるを得なくなり、泥沼に陥っていくハメになる。
赤字は人間の病気と同様、早期発見・早期治療が必要である。そのためにも正しい決算書を作成し(健康診断をしっかり受け)、赤字に対処するための改善(発見された病気を治療すること)をしなければならない。決算書は自分の健康診断結果と同様、間違っていたら何の価値もないことを自覚すべきである。
金融機関の目が厳しくなるのは、自社の業績が厳しいからであり、自社の業績が好調であれば、金融機関からすり寄ってくる。後者になるべく努力することが重要である。
2020年02月17日
会社を強くする会計方針
粉飾決算で自分も騙される