このところ、ギリシャの国家財政破たん問題でユーロが下落している。ヨーロッパの国々も統一通貨ユーロにしたまでは良かったが、ここにきて、ギリシャに続き、スペイン、イタリアと財政不安が広がりつつある。
わが国も負けず劣らず財政事情はかなり厳しい状況が続いており、平成23年度予算の歳出総額92兆円に対し、国税収入は41兆円であり半分にも満たない。平成23年度だけで44兆円の公債金(国債など)の収入を当てにせざるを得ず、借金は増加するばかりとなっている。歳出削減策として、公務員数の削減、給与削減がよく言われるが、いずれも金額的には焼け石に水程度であり、抜本的な歳出削減は歳出の31%、税収の70%を占める社会保障関係費(29兆円)を削ることが必要となる。しかしこれに手を付けようとすれば政権は選挙で大敗を喫することが明白でとても無理な状況である。1,000兆円もの借金の削減のための増税も景気後退や企業の国際競争力の低下を考えると簡単ではない。借金の金利が2%上がっただけで、20兆円の歳出が増加する。これは税収の約50%となってしまう。
日本の国債は金融機関(郵貯、銀行、生保)等が保有しており、もし国債の償還が危うくなれば金融機関の破たんを通じ国民は多大な損害を被ることになる。国民ひとりひとりが子孫に負の財産を残さないため、歳出削減に協力する必要がある。それには、政治家の数の半減位の大胆な行動が必要であろう。